アミエビ

磯野 香璃

2007年04月15日 23:40

正式にはアキアミというそうです。
アキアミ(秋醤蝦)は、エビ目(十脚目)
サクラエビ科に分類されるエビの一種です。
日本を含む東南アジアの内湾域に生息する小型のエビで
食用や釣り餌などに利用されています。

標準和名に「アミ」と名がつきますが、サクラエビに近い
れっきとしたエビの仲間なのです。
コマセアミやイサザアミの属するアミ目でも
オキアミ類の属するオキアミ目でもありません。

特徴
成体の体長は30mmほどで、体は前後に細長い
生きている時は体がほぼ透明ですが、死んだ個体の体色は
濁ったピンク色になります。

第2触角は体長の約2倍もあり
根元から1/4くらいの所で折れ曲がります。
5対ある歩脚のうち、第4・第5歩脚が退化し
残り3対はどれも鋏脚なのです。

インド南部、ベトナム、中国、黄海、日本の沿岸域に分布。
日本での分布域は秋田県以南で
富山湾、三河湾、瀬戸内海、中海、有明海など
内湾が多産地として知られています。

内湾の河口付近を大群で遊泳し
プランクトンやデトリタスを食べます。
日本での産卵期は5月から10月までで
メスは交尾後に680-6800個の受精卵を海中に放出。
オスは交尾後、メスは産卵後に死んでしまいます。
受精卵は直径0.25mmほどで緑色、数時間のうちに孵化します。

日本の生息地での研究によると
アキアミには9~10ヶ月ほど生存して越冬をする「越冬世代」と
夏の2-3ヶ月だけで一生を終える「夏世代」があり
1年のうちで2-3回世代交代を行うことがわかっています。

越冬世代は5-7月に産卵
生まれた夏世代が7-10月に産卵して死にます。

また、早いうちに誕生した夏世代から
もう一代夏世代が生まれ
秋に越冬世代を産卵する場合もあります。

越冬世代は水温が下がると成熟せずに休眠し
春に成長して産卵します。

アミの塩辛生息域では曳き網などで漁獲されます。
漁の盛期は8-10月頃で、和名通り秋に多く漁獲されます。

塩辛にされることが多く、産地周辺で流通しています。
他にも佃煮、干物、掻き揚げなどにも利用され
郷土料理として扱われることもあります。
朝鮮半島ではキムチの風味付けの一つとして
アキアミの塩辛が重要な材料となっています。

食用以外に、釣り餌や養殖魚の飼料にも用いられます。

日本での商品名にはアミエビとして売られています。
一般的には、冷凍物、塩漬け物が出回っており
冷凍物は日本水産等が生産し、塩漬け物は
キムチ料理に使用する物を流用するため
韓国からの輸入物が多いようです。


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